2011年の東日本大震災から十年以上が経ちましたが、今なお各地で大きな地震が発生しており、我が国では「いつ・どこで」起きても不思議ではない状況が続いています。東海地震、東南海・南海地震については発生の切迫性が指摘され、ひとたび地震が発生すると被害は甚大なものになると想定されています。 私たちは設計事務所として、また工事会社として、耐震診断から改修工事まで一貫して業務を請負っています。
耐震改修には「耐震補強」「制震補強」「免震補強」の3つの対策方法があります。
耐震補強では建築物の強度、靭性を向上させ、制震補強では地震エネルギーを吸収することで、免震工法では地盤から伝わる地震力を低減することで、それぞれ地震に抵抗します。

  • 耐震補強の種類

    耐震補強の種類の図
  • 制震補強の概念

    制震補強の概念の図
  • 免震補強の種類

    免震補強の種類の図

各種工法を詳しく見る

  • 耐震スリット

    耐震スリット

    腰壁、たれ壁等に耐震スリットを設けて、変形性能を改善します。

    • 長所

      地震による応力が腰壁や柱に集中するのを避けることで構造的な安全性を高めることができます。

    • 短所

      コンクリートをカッターで切断するため作業時に騒音が発生します。

  • 鉄骨ブレースによる補強(内付け)

    鉄骨ブレースによる補強(内付け)

    コンクリート耐震壁と同様開口部に鉄骨ブレースを設置します。(これは開口部分への内付け工法になります)

    • 長所

      地震による水平力に対して剛性を確保できるため構造強度を向上させることができます。

    • 短所

      内部への鉄骨部材の取込み時に搬入スペースの確保が必要になることと、取付け部以外の範囲と剛心や重心に違いが生じるためバランスを考慮した構造計算が必要になります。

  • 鉄骨ブレースによる補強(外付け)

    鉄骨ブレースによる補強(外付け)

    建物の外側に鉄骨ブレースを設置します。

    • 長所

      内付けと同様に水平剛性を高めることができます。

    • 短所

      内付けと同様に取付け部以外の範囲と剛心や重心に違いが生じるためバランスを考慮した構造計算が必要になります。

  • 鉄筋コンクリート耐震壁の増設(開口閉鎖)

    鉄筋コンクリート耐震壁の増設(開口閉鎖)

    柱、梁に囲まれたフレーム内に新たに壁を増設します。

    • 長所

      開口部をコンクリート壁にすることで地震に対して水平剛性を高めることができます。

    • 短所

      開口部が塞がれるので居室へ必要な採光が確保されない恐れがあることと、局所的に重量が増えるために大梁やスラブで安全に支持されるかどうか確認が必要となります。

  • 繊維シート巻き工法

    繊維シート巻き工法

    建物の外側に鉄骨のフレームを増設します。

    • 長所

      使用者の退去が不要な居ながら施工が可能。意匠、採光への影響が少ない。

    • 短所

      靱性に優れるが強度面で不足する場合がある。繊維によっては柱の隅角部で面取りが必要となる。

  • 鋼板巻き工法

    鋼板巻き工法

    鋼板を柱に巻き付ける工法です。

    • 長所

      ピロティ等の建物荷重の負担が大きい柱の断面寸法を鋼板でサイズアップすることで支持機能を向上できます。

    • 短所

      施工可能な範囲が限られるのと、柱が太くなることで有効なスペースが減少することがあります。

特殊ポリマーセメントモルタルによる柱の耐震補強(PPMG-CR工法)

特殊ポリマーセメントモルタルによる柱の耐震補強(PPMG-CR工法)

耐震強度を増大させる工法

特殊ポリマーセメントモルタル(マグネライン)を使用した補強工法で、既存の鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造建築物のせん断強度とじん性能を向上させて耐震強度を増大させる工法です。
(財)日本建築防災協会で建築耐震補強の技術評価(※)を取得した工法です。

「特殊ポリマーセメントモルタルによる柱の耐震補強工法(PPMG-CR工法)」建防災発第2170(H19.12)

Point

  • 01巻立て厚さが薄くてすみます

  • 02型枠を使用せずに施工ができます

  • 03施工中に騒音や振動がありません

  • 04狭小箇所の施工も可能です

  • 05簡単な素地調整で行えます